政策紹介:
~中小企業承継税制~
毎年、約29万社もの中小企業が日本経済から消えていっています。下請に求められる役割の変化から業態変化を迫れられている、或いはグローバルな資本競争の拡がりから資本力に限りある中小企業が競争に太刀打ちできなくなってきたなど、原因はさまざまあります。しかし、年間29万社の廃業のうち、7万社は後継の経営者がいないという理由から廃業していることをご存知でしょうか。
この7万社の廃業に伴う雇用喪失は、20~35万人といわれています。地方の雇用は、中小零細企業によって大きく支えられていることから、この問題は「地方経済」に危機的な影響を与えています。また、中小零細企業のもつ高度な技術やノウハウが、これまで日本型経済を支えてきました。その中小零細企業が長年培ってきた技術やノウハウが一瞬にして消えてしまう、或いは場合によっては海外に流出してしまうことを考えると、これは「日本経済」にとっても大きな打撃です。この原因となっている後継経営者不在の問題。なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか。この原因となっている中小零細企業を巡る問題にしっかり手当てができなければ、地方経済、ひいては日本経済が再生する手がかりを掴むことは難しいといわざるを得ません。
この背景には、中小企業を巡る税制の問題があります。中小企業の後継経営者が事業を引き継ぐ際には、一般的に千万円単位となる相続税などの大きな税的負担がかかってきます。相続税を後継者が支払うことができず、事業資産の売却を迫られたり、廃業に追い込まれたりしています。本来、事業を継続する意思があっても、長年にわたる実績があっても、こうした事情で止むを得ず廃業している中小企業が数多くあります。その結果、雇用は失われて、貴重な技術は海外に流出してしまっているわけです。
先月はじめ、このような問題に対処するため、中小企業の経営者が次の世代に事業を引き継ぐ環境を整えるための法案が与党で議論され、政府から国会に提出されました。現行の制度では、中小企業経営者から後継者の子に資産を相続する場合、非上場の株式に対しては課税価格を10%減額できます(株式総額が20億円未満の企業が対象)。
しかし、今回の法案では、従業員の8割以上の雇用維持、5年以上の事業継続等を満たした場合、その相続した自社株式の評価を80%軽減することが盛り込まれています。この法案により、地方の雇用を支える中小企業を強力に支援し、地域経済の発展を図ろうというものです。継続する意思があっても継続できない、そのような中小企業を取り巻く環境を改善することにつながっていくものと思います。






