2007年11月のバックナンバー
政経塾シンポジウム
2007年11月28日
松下政経塾の創設者(塾主)である松下幸之助氏の生誕日にあわせてシンポジウムが開催され、全国から政経塾の卒塾生、塾生、職員、講師など、多数の来賓・関係者が一堂に集まりました。先輩方や仲間たちに久し振りに会うことができ、感激を抑えられませんでした。
ご存命であれば、塾主は108歳の誕生日を迎えられたこの日。混沌とする日本の政治情勢に、塾主はどのような思いで見詰めていらっしゃるか。
政経塾出身の政治関係者は、与党にも野党にも多数います。しかし、今日はその垣根を払い、日本の将来について、日本の国策や外交・教育政策など、幅広く議論を交えました。
農業政策について
2007年11月22日
【農業政策で大事にすべきこと】
農業従事者の高齢化や耕作放棄地の拡大など、日本の農業を取り巻く状況が悪化していく中、「持続的で競争力のある農業の構築」こそ、最も重視すべき点であると思います。農業の構造改革を行い、
①中長期的に国際競争力のある農業基盤の確立
②次の世代の担い手や新規就農者などが夢や希望をもてる地域産業への成長
につなげなければならないと思います。そのため、農地集約による生産性の向上や経営効率の改善に加え、安心・安全の日本ブランドの知名度確立や海外販路の拡大への支援、技術改良への支援、バイオエタノール米や飼料米などによる農地活用策や米価下落対策などを複合的に行っていくことが必要であると考えています。
【自民党の新しい政策案】
自民党の農業政策の基本的な視点は、いかにして農業の生産性の向上や経営効率の改善を図っていくかということにあります。そのため、品目横断的経営安定対策などによって、機械が利用しやすいように点在する農地をまとめ、やる気に満ちた人材が将来を見据えて農業に取り組むことができる環境の整備などを行っています。この基本姿勢を維持した上で、自民党では新しい政策について議論が行われ、その内容が発表されました。以下ご紹介いたします。
①米価下落を抑える緊急対策
現在、77万トンある備蓄米を、適正水準である100万トンまで在庫を積み増し、更に11万トンを加えた合計34万トンを、政府が年内に買い入れます。この財源として、2007年度の補正予算に1千億円を計上します。県産米の米価も昨年より約千円下回りました。コメを政府が買い入れることにより、市場でのコメ流通を減らし、米価下落に歯止めをかけます。
②経営安定対策の対象要件の緩和
品目横断的経営安定対策の補助対象は、個人・法人であれば原則として田畑4ヘクタール(北海道は10ヘクタール)以上、小規模農家を組織化した集落営農であれば原則20ヘクタール(中山間地域は10ヘクタール)以上の規模が必要でした。生産調整への協力と大規模化を将来の目標としていることを条件に、この要件を緩和する方針です。例えば個人・法人では2ヘクタールでも補助対象となりえます。また、担い手の認定にあたっては、地域の実態を加味できるよう、認定の権限を知事から市町村長へ移譲する考えです。
【野党提出の農業者戸別所得補償法について】
コメや麦、大豆などの主要生産物について、農家の生産費と販売価格との間の差額分について、政府が補填するという内容です。予算として年に1兆円超程度が必要とされています。但し、この予算の積算根拠は特にないことを、民主党の法案提出者自らが国会で認めていますので、どの程度の予算が本当に必要かは分かりません。
この法案には多くの問題があります。突き詰めて言えば、将来の日本の農業にダメージを引き起こす可能性が高いと思います。以下、問題を一緒にみていきましょう。
①どの産業も生き残りをかけて必死で努力をしている中、年間1兆円超の国費を使って、農業所得だけを保障するということは、国民から納得が得られるのでしょうか?
②この法案は農業の貿易自由化を前提にしたものです。自由化しても一部農家が生き残れるように手をうった法案といえますが、対象外の畜産農家や果樹農家などは見捨てられてしまったのでしょうか?
③輸入規制が撤廃されると、安い農産品がどんどんと押し寄せてきます。すると当初見込んでいた予算は数倍必要になってくるでしょう。当然、国民の税金負担も増えます。農産品の消費者としての心理も加わり、日本の農業は多くの味方を失うでしょう。
④この予算は、農林水産公共予算を削減してあてられるという考えが過去に示されています。そうなると老朽化した農業用水路やため池などの整備ができなくなり、農村の道路や公園などの生活環境のための施設も整備できなくなります。むしろ、やる気のある担い手にとっては大きなダメージであり、農業の弱体化を招くことになります。
⑤努力しなくても補償は得られます。結果として、時間と資金、労力をかけて、生産性向上や経営改善を図る農家は損をします。こんな不公平が許されていいのでしょうか?これでは意欲ある担い手が減り、趣味程度、片手間程度の農家が増えていくことになります。
これで日本の農業に未来が拓けるわけはありません。いま行うべきは、農業の体質強化であり、非効率な現状を固定化することではありません。
「ばっちょう」で新スタッフ歓迎会
自民党政経懇談会
2007年11月18日
盛岡市内で開催された自民党岩手県連主催の政経懇談会に参加しました。
伊吹幹事長、古賀選対委員長、増田大臣、渡辺大臣、鈴木俊一代議士のご臨席もいただき、政局などについて講演をいただきました。候補者空白区となっている1区と4区について、今年中に決定する旨の発表もありました。
それにしても県内は北から南まで、多くの方々にお集まりいただきました。しばらくご挨拶できていなかった方々にも、お会いすることができました。
時事寸評「憂国の情」
2007年11月09日
去る11月1日、テロ対策特別措置法が期限切れを迎えました。国際社会が連帯して「テロとの闘い」に立ち向かう中、日本は任務を半ばで放り投げ、現場から引き揚げることになりました。
「テロとの闘い」は遠い海の彼方でおきている他人事ではありません。日本の将来にとっても、われわれの日常生活にとっても影響があることです。このままでは、例えばこんなことが起きるかもしれません!
①国際社会からの信用を失い、日本は蚊帳の外におかれます。
②ガソリンや灯油などの値段が上がり、家計にも影響がでます。
→中東地域は世界の6割以上の原油を生産し、日本が輸入する原油の9割を生産しています。その地域の政情が不安定になれば、エネルギー価格はますます高騰します。
③麻薬や武器が世界中に広まり、国際的な犯罪が増え、治安が悪くなります。
→世界の違法な麻薬生産の9割はアフガニスタンで行われています。
大連立に踏み切ろうとした民主党・小沢代表が党内外から反発を受けている中、自民党の伊吹幹事長が記者団に対して、「小沢さんは憂国の情を理解してもらえず、がっかりされたんじゃないかな」と語った場面がテレビに放映されていました。
テロ特措法の延長を巡っては、与野党で激しい攻防がありました。しかし法案の本質を衝いた攻防であったとはいえないように思います。本来、安全保障や外交に関する事項は、国益を第一に据えた議論をすべきであって、政党間の政争の具にすべきではありません。党の論理が優先され、議論すべき大事に至らなかったことは、残念でなりません。特に政権奪取を目指す政党であれば、ただ反対姿勢をとり続けるのではなく、少なくとも失効前に対案ぐらいは出して、責任ある政党としての姿勢ぐらいは出してほしいと感じたのは私だけではないと思います。
もちろん、途中で不祥事が連続したことも審議に影響しました。イラク戦争への転用疑惑、航海日誌破棄問題、給油量訂正隠蔽問題、元防衛事務次官の軍需専門商社との癒着、と呆れるほどに膿が出てきました。こうした問題は徹底的に追及しなければなりません。そして、今後二度とこのような問題が発生しないよう、防衛省の組織改革を断行しなければなりません。こういったことは、国会内で議論を尽くしていく必要があるということには異論ありません。
海上阻止活動からの撤退は、日米の同盟関係はもとより、国際政治の中での日本の国際協力の姿勢が問われる重大な問題です。アメリカが日本に気兼ねなく、北朝鮮のテロ支援国家指定解除を行うのではないかとの警戒も現実味を帯びてきます。私は日本が世界の潮流に逆行して、「一国平和主義」に引きこもることを憂慮しています。「テロとの闘い」からの後退は、日本の世界の中の立ち位置を左右しかねない問題です。是非、この法案の重要性について改めて認識し、国家の根幹に立った是々非々の議論を進めてもらいたいと願います。防衛省の疑惑追及を進めながらも、同時並行で新法を議論することも、或いは場合によっては先に新法を成立することは可能なはずです。いたずらに審議を引き延ばすのではなく、きちんと日本の姿勢を打ち出し、一刻も早く国際社会の平和維持活動を再開してもらいたいものです。
このような国益に関わる一大事にすら、参院選後に生まれたねじれ国会によって立法府の機能が停止してしまい、政策決定をすることができない状況は打開しなければなりません。その為に、政策協議を図る手段として大連立を考えたというのであれば。そしてこの際、踏み込んで恒久法の是非、自衛隊の海外派遣の原則についても党派を超えて議論すべしと本気で考えたのであれば。私は冒頭の小沢代表の「憂国の情」に拍手を送りたいと思います。
ここで改めて、テロ対策特措法及び自衛隊の補給支援活動に関するポイントについて、ご参考までに整理してみます。
1. 「テロとの闘い」とは
日本人24名を含む2973人が犠牲となった2001年の米国同時多発テロ。実行グループのアル・カーイダは、アフガニスタン及び周辺地域においてテロ訓練などの組織活動を行っていました。この地域は、アル・カーイダ以外にもテロ組織が跋扈しており、テロの温床となっています。国際社会は、この地を再びテロの温床としないという強い意志の下、「不朽の自由作戦」と名付けられた「テロとの闘い」を開始。
2. 活動の内容
「不休の自由作戦」は、陸上での掃討作戦に加え、インド洋における①海上阻止行動、②国際治安支援部隊(治安維持のためのアフガニスタン政府支援)、③地方復興支援(軍民共同での地方復興活動)などが行われています。日本は憲法の制約により、この幾つかある活動の中で、①「海上阻止活動」のみに参加してきました。イスラム国家であるパキスタンやイラク戦争に参加しなかったフランス、ドイツ、カナダなどを含め、これまで約40カ国が参加する国際的な活動となっています。アメリカの戦争という言い方は正しくありません。
3. 海上阻止活動の成果
アメリカ、イギリスなど世界8カ国の協力の下、6年間にわたって行われてきました。武器の流出入の阻止、麻薬売買による資金の流出入の阻止、テロリスト流出入の阻止などに効果を発揮してきました。例えば2004年には4万件1千件あった無線照会は、2006年には9千回に激減。インド洋から不審船が激減したことを示しています。また麻薬についてもこれまで約12トン押収されました。
洋上補給は、これまで11カ国(アメリカ、イギリス、フランス、ニュージーランド、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、ギリシャ、カナダ、パキスタン)に実施してきました。当初はアメリカへの給油が殆どでしたが、2006年以降の実績でみると、パキスタンやフランスが増え、給油・給水回数の半分以上はパキスタンに対して行われています。洋上給油はどの国にもできる作業ではありません。給油活動は、受給艦との距離を維持し、同じ速度(通常12ノット程度)で並走しながらの作業となります。高い操艦技術が求められます。給油中は引火の危険から空砲を撃つこともできません。よって無防備になるゆえ、護衛艦やヘリによる哨戒をしながらの、不測の事態を常に想定した緊張感を要する作業となります。
1991年の湾岸戦争の際、日本は約1兆7千億円の資金を拠出しました。それにもかかわらず、国際社会からはお金だけ出して終わりの日本と揶揄され、あまり評価をされませんでした。今回、提供した燃料の総量は48万キロ、経費的には220億円ですが、湾岸戦争と比べるまでもなく、国際社会から大変高い評価と感謝の声が寄せられてきました。
4. 憲法違反か
国連決議のない活動に自衛隊を派遣するのは違憲との主張がありますが、海上阻止活動はテロとの闘いを各国に呼びかけた安保理決議1368号に応えて各国が行っているものであり、国連の決議を踏まえた活動です。また、集団的自衛権の行使であり憲法違反との意見もありますが、そもそも補給支援活動は憲法が禁止する「武力の行使」ではなく、更に非戦闘地域で行うことから他国の武力行使と一体化することもなく、憲法に反する活動ではありません。
5. 新法案の骨子
現在、自民党が衆院に提出している新法案は、日本が支援活動を行う海上阻止活動を評価し継続を求める国連安保理決議1776号を新たに引用し、海上自衛隊の活動を海上阻止活動に従事する艦船への給油・給水支援に限定したものです。実施区域は「非戦闘地域」要件を満たすインド洋及び沿岸国領域と明記し、期限は1年としたものです。洋上補給という日本の支援が、各国の役割分担の中で定着してきたことを踏まえ、活動の内容・範囲を絞りこむことによって、審議を早期にまとめ、海上阻止活動に一刻も早く復帰できるように図ったものです。
スタッフ懇親会
2007年11月08日
本日、参院選の選挙スタッフを中心に懇親会を行いました。持ち寄りの地元食材などで作った芋の子汁などを味わいながら、和気藹々とみんなで近況などを語り合いました。選挙後、スタッフの集まりは今回で二回目になりますが、これまで久慈や釜石からも同志が駆けつけてくれましたのに加え、今回は東京から参加してくれた方もいました。今はそれぞれの分野で活躍をしている仲間たちが、こうした機会に心をひとつにできることは本当に有り難いことです。






