2008年05月03日
イエメン沖のアデン湾で、日本郵船が運航する大型原油タンカー「高山」が小型の不審船に乗った海賊とみられるグループに襲撃され、ロケットランチャーからとみられる発砲によって船体に被害を受けたとの報道が先月21日にありました。
「高山」は船尾に損傷を受けたものの、幸い、死傷者を出すこともなく、またタンカーも奪われずに済みました。結局、この不審船はソマリア領海域に消えていったようですが、無政府状態のソマリアに拠点を置く海賊の仕業ではないかとみられています。
日本の生命線である原油は、9割以上が中東から運ばれてきます。そのシーレーンを運行中に、「高山」は被弾しました。このことは大変深刻な問題です。この海域にはテロ抑止のための多国籍軍が展開していますが、この多国籍軍がいなければ、大きな被害に発展していたでしょう。そして、この多国籍軍が効率的にテロ対策活動を行うことができるよう、日本は給油活動などを行っています。野党の反対により4ヶ月間の空白期間を作ってしまいましたが、新テロ対策特措法の成立により、国際社会の一員としてテロ対策活動を再開できたことは改めて意義深いと感じます。
さて、本日は憲法記念日。
「普通の国」ならば、自国の船舶が攻撃を受けた場合、その現場周辺に自国艦艇がいれば、当然ながら自衛権を発動して脅威を排除します。しかし、日本の場合、憲法の制約により、今回のように日本船が襲撃されても、何ら実効的な対応をとることはできません。自衛権を発動するためには、まず自国船舶への不審船からの攻撃が急迫不正の侵害かどうかを判断し、首相が防衛出動を発令するという手続きを取ることが必要です。そして、防衛大臣が海上警備行動を発令した場合に限り、海自は海上保安庁の巡視船と同じ警察行動を取れますが、その場合でも警察官職務執行法を準用しての武器使用しか行えません。ロケットランチャーを積んだ海賊の不法行為から守るには、あまりに心許無い状況です。
他国の軍隊に依存しなければ、日本の石油シーレーンの安全性すら確保できない現状。国際社会を生きる日本として、憲法のあり方、自衛隊の在り方について、いま真剣に考える必要があると思います。






